測量業務

確定測量

隣接する土地との境界が不明な場合に行う測量のことで、隣接地所有者と境界確認を実施し、確認書等の書面の交付を行って境界標を設置するまでの測量のことを確定測量といいます。
境界をはっきりとしておかないと、隣の建物が実は越境していたなどの問題が発生する場合があります。数年後、十数年後に発覚してしまったら取り返しがつきません。このような無用なトラブルに合わないようにするための事前の予防策として、境界確定測量を実施します。また、土地の分筆登記をする際には、前提として境界確定測量が必要となります。

似たような名前の測量で「現況測量」というものがありますが、「現況測量」は現地にある「物(ブロック塀など)」を測って図面等を作成するのに対して、「確定測量」は目に見えない「境界」を測って図面等にしなければならない点が大きな違いです。
「確定測量」を実施するためには、隣接地所有者の協力が必要不可欠となります。隣接地所有者の中には、境界の立会いに協力して頂けない方や、所有権について係争中の方、行方不明の方、認知症の方などがいる場合がありますので「時間」と「費用」が掛かることが多いです。

現況測量

測量地にあるブロック塀などの工作物を測量し、図面等を作成する測量のことを現況測量といいます。
特に隣接地所有者との境界確認などは行いませんので、隣接地との境界を明らかにする場合には「確定測量」が必要となります。

現況測量が必要な場合

  • 土地の売買を予定しているために、登記簿面積と実測面積を比較したい場合
  • 建築計画などのために、敷地面積を知りたい場合

高低測量

敷地内及び隣接地との高低差を調べる測量のことを高低測量といいます。
建物の建築・設計に際して必要になることがあり、高低測量だけのご依頼ということは通常なく、現況測量と併せてご依頼をいただくことがほとんどです。

高低測量が必要な場合

  • 起伏の大きな地形のため、高低差を勘案して建築計画を立てたい場合
  • 土砂の切土、盛土の計算またはアスファルトを敷くための計算をしたい場合

真北測量

「北」には、「真北」と「磁北」があります。地図上の北(北極点の方向)を「真北」といい、方位磁石による北を「磁北」といいます。「磁北」は概ね北をさしますが厳密には指しておらず「真北」とは微妙にずれています。そのずれは関東地方で約7度です。そのずれを修正して真北を求める測量のことを真北測量といいます。
建築基準法では真北を北として用い、建物を設計する際に必要な日照時間などを調査するために必要となります。

真北測量が必要な場合

  • 日照り制限の目安にする等、真北の方位が知りたい場合
  • 建物を設計するために必要な場合

土地地目変更登記

土地地目変更登記とは、土地の用途が変更となった際に、登記上の地目を実際の使用用途と同一にする登記のことをいいます。例えば、畑に住宅を建て土地の使用用途が変更となった為に「畑から宅地」へ地目を変更する登記です。
地目変更登記には申請義務があり、その変更があった日から1ヶ月以内に登記申請を行う必要があります。

注意が必要な地目変更

田・畑といった農地を宅地などの別の地目へ変更する場合は、用途を変更する前に農業委員会へ申請をして「農地転用許可(届出)書」を取得し、その書類を登記申請時に添付する必要があります。 不動産登記法の性格上、将来、必ず別の用途として利用することが明白になっていなければなりません。

【地目変更制限】

  • A. その土地が「保安林」なっている場合は保安林指定の解除が必要です。
  • B. 地目を墓地に変更する場合、または墓地の利用目的を変更する場合は都道府県庁の許可が必要となります。

主な地目

田、畑、宅地、塩田、鉱泉地、池沼、山林、牧場、原野、墓地、境内地、 運河用地、水道用地、用悪水路、ため池、堤、井溝、保安林、公衆用道路、公園、雑種地、鉄道用地、学校用地

必要な書類

  • 農地転用の許可書等:田・畑から地目変更する場合に必要です。
  • 委任状:土地家屋調査士にてご用意します。

土地分筆登記

土地分筆登記とは、1つの土地(1筆)を分割して複数(数筆)の土地とする登記のことをいいます。1筆の土地の一部を分けて売却したい、複数の相続人で1筆の土地を相続する際に相続人の数の土地に分けて各相続人の名義にしたいときなどに土地分筆登記を行います。分筆登記がなされると分筆された土地には新たな地番が付され、独立した土地として登記されます。
また、実際に分筆登記をする際には、隣接地所有者と境界(道路や水路を含む)確認をし、合意をいただいた上で境界確認書にご署名ご捺印をいただきます。 土地が共有の場合には、共有者全員から申請しなくてはなりません。また、相続がある際には相続人全員から申請をしなくてはなりません。

必要な書類

  • 地積測量図:土地家屋調査士が境界調査、測量をして作製
  • 境界確認書:土地家屋調査士及び分筆する土地の所有者が、隣接地所有者と境界立会い、確認をして作製
  • 市有地等境界確認書:市や県、国所有の土地(道路や水路など)と接している場合。
    土地家屋調査士にて関係機関と打ち合わせをして取得します。
  • 委任状:土地家屋調査士にてご用意します。

土地合筆登記

土地合筆登記とは、複数の土地の登記を1つにまとめる登記のことです。多数の土地を所有していて管理が煩雑な場合や、相続人の相続分ごとに土地を分筆しなおすために、相続した複数の土地を一旦1つの土地にまとめるとき、購入した地続きの土地を1つの土地にまとめたいときなどに土地合筆登記を行います。
土地が共有の場合には、共有者全員から申請しなくてはなりません。また、相続がある際には相続人全員から申請をしなくてはなりません。

合筆する為に必要ないくつかの条件

  • 所有権以外に権利に関する登記がないこと
  • 所有権の登記名義人(登記されている氏名・住所)が同一であること
  • 土地同士が点ではなく線で隣接していること
  • 土地の地目が同じであること
  • 字や地番区域が同じであること
  • ※1.がネックになる事がありますので、ご注意ください!
    また、1.に関しては合筆できる場合もございますのでご相談下さい。

必要な書類

  • 登記済権利証:合筆する土地の権利証
  • 印鑑証明書
  • 委任状:土地家屋調査士にてご用意します。

よくあるご質問

測量業務についてのよくあるご質問です。

所有している土地の面積が知りたいのですが?
お近くの法務局で登記事項証明書を取得しましょう。そこに記載されている「地積」という項目が土地の面積を示しています。ただし、登記されている面積が必ずしも実際の面積と一致しているわけではありません。面積が違うのでは?と感じた際はご連絡下さい。調査・測量をして確認させていただきます。
お隣の土地との境界がわかりません。どうすればいいですか?
ブロック塀の真ん中や地面などに、コンクリートの杭や矢印のついた金属のプレート、金属の鋲があればそこが境界を示しています。ただし、境界標が動いてしまっている場合や、誤った位置に設置されている可能性もありますので、違うのでは?など不安があれば調査・測量しますのでご連絡下さい。
境界標って何のためにあるの?
境界標の役割は、土地の所有権の範囲を明確にしておくことです。境界標が設定されていないと土地の所有権の範囲が不明確な状態となり、所有者が変わった場合に、どこまでの範囲の土地を使っていいのかがハッキリせずにトラブルになる可能性があります。見当たらない際は設置することをご検討下さい。
境界標が紛失しているので設置したいのですが、依頼した際はどのような作業になりますか?
境界標は勝手に設置することはできません。法務局や市役所などの資料、現地調査に基づいて隣接地所有者の方と現地にて立会いをし、境界に関してお互いが同意した上で設置します。また、確認した境界点の位置を測量し、数値化(座標化)して図面に残します。これにより境界の位置は数字で管理されるので、境界が紛失してしまってもいつでも元通りにできます。
境界確認のために隣接地所有者と立会いをしたいのですが行方がわかりません。どのようにすればいいですか?
登記情報などを基に行方を調査しますのでご連絡ください。また、どうしても見つからない際は、法務局の筆界特定制度を利用すると境界の位置を特定してくれます。なお、筆界特定制度にかかる期間は概ね1年弱です。
土地の一部を売却したいのですが?
売却したい部分とそうでない部分とを分ける、土地分筆登記を申請します。また、分筆登記を申請する際には、前提として、隣接地所有者と境界確認をして同意書をいただく必要があり、同意していただいた境界に基づき分筆登記を申請することになります。なお、土地の所有者が複数人いる際は、所有者全員(相続がある際は相続人の全員)からの申請が必要となります。
所有している土地が複数に分かれているので一つにまとめたいのですが?
複数の土地をまとめるには、土地合筆登記を申請します。合筆登記には権利証や申請人の印鑑証明書が必要となり、それぞれの土地が点ではなく線で隣接している必要があります。その他にも合筆登記には様々な要件がありますので、ご検討の際は一度ご連絡下さい。なお、合筆登記を申請する際は、現地調査はしますが測量作業は不要です。また、土地の所有者が複数人いる際は、所有者全員(相続がある際は相続人の全員)からの申請が必要となります。
畑だった土地に家を建てて土地の使用方法を変更したのですが、どのような登記手続きが必要ですか?
土地の使用用途を変更した際は、土地地目変更登記を申請します。また、田・畑を別の使用用途に変更する際には、変更する前に「農地転用の手続き」が必要となります。手続きの仕方がわからないなどございましたらご連絡下さい。なお、土地の所有者が複数人いる際は、所有者の一人(相続がある際は相続人の一人)からの申請が可能です。